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『おいしく食べて体ととのう まいにちの栄養学』(あこ著・ナツメ社)レビュー
忙しい中、予算や家族にあわせながら準備する毎日の食事。「体は食べ物からできている」という言葉は知っているものの、実践できている自信は全くない。体調不良になったり、健康診断の結果を見るたびに落ち込み、聞きかじった健康情報でさらに調子が悪くなる。——そんな経験をしてきた方に、ぜひ読んでほしい一冊を紹介します。
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糖質を減らしたら、もっと疲れてしまった
この本を読むまで、私はずっと「食べないほうが健康に近づける」と思っていました。
もともと貧血の症状があったにもかかわらず、ダイエット目的で糖質をぐっと減らしていた時期があります。最初は体が軽くなった気がして、「これでいいんだ」と信じていました。でも気づけば、体はどんどんだるくなり、疲れやすさが増すばかり。
しかもなぜか、体重は減るどころかじわじわと増えていったのです。「食べていないのに、なぜ?」と、本当に落ち込みました。
今なら理由がわかります。糖質を極端に減らしたことで筋肉が落ち、基礎代謝が下がっていたのです。貧血で鉄分が不足している状態に、さらに栄養不足が重なって、体がエネルギーを作り出せなくなっていた——この本を読んで、ようやくそのことに気づきました。
間違った努力を続けていたのは、正しい知識がなかったからでした。
「足りないものを補う」という、シンプルで力強い視点
著者のあこさんは、管理栄養士でありYouTuberでもある方です。この本を読んでまず驚いたのは、「何かを禁止する本ではない」という点でした。
現代人は食べ過ぎではなく、”栄養がないもの”を食べ過ぎているだけ。それを勘違いして、必要な栄養がある食べ物まで制限をして、より栄養不足を加速させてしまっている場合もあります。
大切なのは、体のしくみや栄養素のことを知って、いかに食べ物を選択するかです。
「自分の不調に合わせて、足りているものと足りていないものを把握する。それだけでいい」——このスタンスが、全編を通してぶれずに伝わってきます。制限や我慢を重ねて疲弊してきた人ほど、このメッセージは刺さるはずです。
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特に学びになったこと
本書は、科学的知見に基づき、不調ごとに、不足している栄養素と、それを摂取するための最適な食材や簡単レシピが、わかりやすい図解と写真などとともに紹介されています。
読み進める中で、「知らなかった!」「なるほど……!」と思わず声が出そうになったポイントをほんの一部ですが紹介します。
栄養は「1日3食たべるのがやっぱりおすすめ」が唯一の正解
たんぱく質には、利用可能時間と独自の栄養吸収のしくみがある。また、ビタミン・ミネラルも、まとめ食いのできない栄養素が多い。そのため、こまめに摂取する必要がある。日本人女性の9割は1日3食で栄養をこまめに摂取しなければ健康が維持できない体である。
おなかがすかないから食べなくていい、のではなく、3回栄養摂取できるように食事をととのえる
——それが体を整える近道だと本書は伝えています。
体に「いつもの量」を覚えてもらい、三大栄養素で土台を築く。
納得しかありません。
ストレスで栄養素は消費される
ストレスを感じると、体の中でビタミンやミネラルが消費されやすくなるという事実も、目からウロコでした。「なんとなく疲れやすい」「気分が上がらない」という不調が、実は栄養不足からきているかもしれないのです。忙しいときこそ食事がおろそかになりがちですが、そのタイミングこそ最も栄養が必要だということ——知っているかどうかで、体の状態は大きく変わってくると感じました。
鉄分不足は「燃費の悪い車」
貧血について書かれた章で出てきた「鉄分が不足している体は、燃費の悪い車のようなもの」という表現が、とても腑に落ちました。エネルギーを作り出す効率が落ちているから、食べても食べても疲れやすい。まさに私が経験していたことそのものでした。正しい知識さえあれば、苦しい時期を回避できたかもしれない——そう思うと、この一冊の価値の大きさを改めて感じます。
夜は主食とビタミンB群
「夜は主食はいらない」という話がありますが、寝ている間も脳や肝臓は仕事をしているので、お茶碗一杯は食べる必要がある。また、1日の疲れを癒し、神経の修復や神経伝達物質の分泌をスムーズにするためにはビタミンB群が重要です。
砂糖たっぷりのお菓子を夜に食べないようにするだけで、ビタミンB群をはじめとしたビタミン・ミネラルの過剰消費を防ぎ、疲労回復がスムーズになります。
夜の主食、血糖値が上がるからといって抜いていました。また、疲れたからといって、菓子パンを夜に食べる高校生の息子・・・。笑笑です(-_-;)
こんな方に、強くおすすめします
ここに紹介したのは、本書のエッセンスのごく一部です。本書は、特に、女性の体の悩みに深く寄り添った内容が充実しており、貧血、冷え、ホルモンバランスの乱れ——について丁寧に解説されています。
カラーのイラストや写真も豊富で、体の悩み別に構成されており、気になる症状のページから開けばいい、実用的な作りになっています。
「食べることが怖い」「何を食べたらいいかわからない」「頑張っているのに体が変わらない」——そんな気持ちを抱えているなら、答えはきっとこの本の中にあります。食の情報に振り回されるのをやめて、自分の体と正直に向き合うための一歩を、この本が後押ししてくれるはずです。
栄養について悩んでいるすべての方に、自信を持っておすすめできる一冊です。
『おいしく食べて体ととのう まいにちの栄養学』
著:あこ 出版:ナツメ社 2025年
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